2020.10.26
【「kamui tracker」マーケター、「かむなび」編集長の和田さんが話す YouTubeマーケティングセミナー】
2021.02.21
■1/24 (日)
【「kamui tracker」マーケター、「かむなび」編集長の和田さんが話すYouTubeマーケティングオンラインセミナー】を行っていただきました。
” YouTube 業界の現状と編集者にどんなことが求められているかが分かる! ”
YouTubeマーケティングのプロから聞ける豪華セミナーで、視聴した生徒にも大きな刺激となったようです。
この記事では、ドガポンに興味がある方に向けて、セミナーの様子を一部抜粋してお届けいたします。
♦︎目次
1.YouTube市場の現状
2.なぜ今YouTubeなのか
3.企業のYouTube活用
4.求められる動画編集者とは
5.これからのYouTubeと動画編集者
和田洋祐さん経歴
株式会社エビリー
ビデオマーケティング事業部
マーケティングチームマネージャー
かむなび編集長
個人事業主を経て2018年5月入社
国内最大級の動画SNSデータ分析ツール「kamui tracker」及び、キャスティング・コンサルティング等、YouTube関連事業の統括。
・Twitterアカウント
https://twitter.com/mktrepreneur
1. YouTube市場の現状
コロナの影響で、2020年の3月ぐらいからかなりぐぐっと視聴回数が増えているということが分かると思います。
もう皆さんご存知の通り自宅で過ごす時間が増えて視聴する時間が増えたことが原因ですね。
また、要因の一つとしては、芸能人の参入もやはり大きいと言えます。
さて、大体登録者数1万人以上のチャンネルがどのぐらいあるか分かりますか??
2019年だと、16,000チャンネルちょっとですが、
2020年の12月の段階で1万人以上のチャンネルになっていまして、24,000チャンネルぐらいに増えていますね。
大体1.5倍ぐらいです。
YouTube での競争は激化しているということはこの数字でも見て取れますね。
2020年も多くのスターが生まれたんですが、そのほとんどは芸能人でした。
これに加えて、コンテンツの進化は多様に、そして深くなっているので、そちらも盛り上がりの要因の一つという風に思っています。
また、巣ごもり需要なんていうのは、皆さんご存知かと思うんですが、コロナが発生し始めた3月4月頃のトレンドと今のトレンドは、ちょっと変わってきています。
4月5月あたりのコロナ発生直後では、 how to動画がすごく伸びたんです。
どうやってこの危機を乗り越えるかみたいな、そういう動画ですね。
ですが、5月以降は映画とアニメのような、家の中で没頭できるものに関連したコンテンツが伸びています。
2021年は家の中で楽しめるような映画やドラマ、漫画のようなコンテンツが伸びてくると予想しております。
この図で分かるのは、YouTuberタイアップを実施した企業数は前年の1.6倍にもなり、企業のYouTube活用が活発になっているのが分かります。
YouTubeだけじゃなくて、広告業界全般、コロナの影響で売り上げが下がっていたり、苦しい企業もあったり、先行きが見えないのでちょっとその慎重になる企業っていうのが多いのですが、YouTubeを活用したプロモーションがこれだけ伸びているというのは注目するべきことだと思います。
更に、YouTubeは若年層だけが見るものではなく、最近では40代以上のチャンネル視聴者も増えています。
ということは同時に、シニア層に向けたプロモーションをしたい企業なども今後参入してくると言えます。
益々参入企業も市場も増えることになるでしょうね。
2. なぜ今YouTubeなのか
ここで、企業がなぜYouTubeを活用した方が良いのか?を皆さんにも知ってもらえたらと思います。
理由を説明できるだけで、クライアントからも信頼を得れたり仕事に繋がることも多いので、ぜひ皆さんも覚えていてください。
まず①「マス」の時代、「スモールマス」の時代
少し前のマスの時代というのは、比較的同じような趣味嗜好だったり価値観を持つ人が比較的多く、同じような情報をみんなで一斉に取得していました。テレビで多くの人に同じ情報を行き渡らせることで充分だったんです。
ですので、何かプロモーションしたいっていう時もテレビ CM を打てば充分だった。
でも今はそういう時代じゃないですよね。
今は、同じ年代で同じ性別の人でも、趣味嗜好や生き方、価値観が違うのは当たり前。
そして、自分で情報取得方法を選択できるので、自分に必要な情報しか取らない人が増えています。
YouTubeはそれぞれのカテゴリーに分かれているコンテンツなので、それぞれの興味のある人に届けることができるのが魅力というわけです。
②「嫌われる広告」と「見たくなる広告」
見たくないのに強制的に見させられている広告は、
商品の価値も下がってしまいます。まずは見たくなる工夫が必要です。
YouTuberとのタイアップ動画であれば、
チャンネルを土台に配信していくので、面白い動画の中に自然とその広告が挟まれているような形式になり、自然に顧客に情報を届けることができ、スムーズなプロモーションがしやすい傾向にあります。
この辺りも、YouTube が企業に求められている理由になります。
③「パルス型消費」時代
その場で商品を購入できる時代のことです。
今はどこでもスマホがあれば購入できる時代。
つまり、その場で買いたいと思わせることができれば、そのまま購入に繋げることができるということです。
3. 企業のYouTube活用
企業がどういう風に活用しているのか、を理解していることはすごく重要になってきます。
まず、企業の YouTube 活用はこの三つに分かれます。
① YouTuber タイアップ
②チャンネル運用
③ YouTube 広告
皆さんよくご存知だと思いますが、企業が何らかの形でチャンネルを運用してそれを自社の利益につなげていくケースが最近は多いです。
ただ、いかにも企業チャンネルです!といったものではなく、見え方は個人のYouTuberっぽいチャンネル。
けれども裏には企業が入っているというパターンが最近ではよく見受けられます。
今回は②つ目のチャンネル運用について詳しくお話ししていきたいと思います。
おそらくチャンネル運用のところが、動画編集者という立場だと一番関わりが深いところだと思います。
ここ大事なところなんですが、YouTubeと言えば「登録者数」「広告収益」ばかりに目が行きがちですが、ただ、これはあくまで一面だけ。
企業のYouTube活動としては、ここだけ見るのはあまりよくないと思っています。
最初の市場の現状でもお伝えしましたが、最近は特に競争が激化しているので、試聴回数を長くずっと維持する。
というのは難しいです。
ただ、YouTubeを企業が活用する大きなメリットは、
動画とか演者の個性が出やすい動画、YouTube によって、非常に濃いファンを作りやすいのが特徴なので、企業のYouTube活用は、非常に効果的です。
企業がYouTubeを運用する場合、広告収益を目的としない運用をする必要がある。と伝えましたが、
理由は簡単で、企業がYouTubeを運用するに当たって、運用するのにかかる費用に対してコストも時間もリターンも見合わないからです。
なので今僕は最近この辺をすごく提唱してるんですけど、広告収益がメインではない、収益に繋がるマネタイズ方法を目的にする必要があります。
6つマネタイズモデルを図に出したので、こちらをご説明していきます。
(以下図)
上記の例のように、必ずしも登録者数を増やせば良いということではないんです。
そもそもの目的設定が重要で、何が正しいかが全然変わってきます。
目的によって動画の内容も変わってくるので、編集をする際にも、その企業が何を目的にしているかは理解した上で、合うような動画を作っていく方がすごく良いのではないかと思います。
4. 求められる動画編集者とは
動画編集の具体的な知識やスキルっていうのは僕が語るべきではないと思うので、今日はせっかくなので動画編集者に求められる編集以外のスキルの部分をお伝えしていきます。
2点あります。
1点目は、マーケティング視点
マーケティングっていろんな意味で解釈されている言葉で、マーケティングって何ですかって聞く人によって違う答えが返ってくると思うんですが、僕が考えるマーケティングとは何か。
それは、すごく簡単に言うと、
誰にどんな価値を提供しようとしている?
ということを考えて、それを表現するということかなと思います。
例えば、中学生のための高校紹介動画であれば、どんな形でこの学校の魅力を伝えるのかとか。
その目的のためにはどんな表現方法や編集方法が最適なのか。そこを考えられる力というのがマーケティング視点かなと思います。
ぶっちゃけYouTubeをやっている企業も分かっていないところが多いので、分かる編集者は企業からも求められるようになります。
2点目はコミュニケーション能力です。
こちらも広い意味を持ちますが、僕がここで言うコミュニケーション能力は、
1つ目が相手の意図を汲み取る能力
2つ目がこちらの意図を伝える能力
3つ目が信頼を積み重ねるこまめな連絡
1つ目の相手の意図を汲み取るというのは、簡単にいうと質問力ですかね。
クライアントは、”ぼんやりなんとなくこんな感じ”のように的確な答えがパッと出てこなかったりすることも多いんですが、その奥にある、ビジネス上求められてるミッションとか何のためにやりたいかみたいなところをちゃんと引き出せることが大事です。
2つ目のこちらの意図を伝える能力というのは、
頭の中にあるイメージを言語化できるかどうかってことですね。
例えば言葉で伝えづらいものを、事例や画像を見せるなどで相手に正しく伝えられるか、という部分です。
上の二つはその相手との認識のズレが生じないように、大事な部分ということですね。
3つ目の信頼を積み重ねるこまめな連絡というのは、
これはもう当たり前のことを当たり前にやりましょう、ということです。
これ意外とできない人多いんですよね。
信頼関係が大事なので、ここができるだけでも信頼を築けますし、差別化できます。
ここからは、動画編集者のキャリアですね。
編集者はこれからどういうキャリアを歩んでいけばいいのかをお話いたします。
チャンネルプロデュース→動画企画→動画編集とあります。
・チャンネルプロデュース
この仕事はすごく再現性が求められます。
1つのチャンネルだけでなく、その実績を他でも使えるようにロジックを知っている人。
・トップクリエイター
簡単にいうと動画編集のプロになるという方向性です。
YouTubeだけに止まらない編集スキルを身に付け、そこで難しい案件など、お仕事を取っていく形です。
実績があるとやっぱり案件は獲得しやすくなるので、どんどんポートフォリオを充実させていって、少しずつ高い案件を振ってもらえるようになるということが必要かなと思います。
5. これからのYouTubeと動画編集者
①ディレクター志向の方へ
考えて欲しいのは、YouTubeの競争は激化しています。
ただYouTubeの活用っていうのはどんどん増えていくはずです。
その上でYouTube以外の部分での収益をあげる出口戦略は非常に重要になってきます。
YouTubeを通してどのようにマネタイズしていくのか?
ここを提案できる人は少ないので、そこまで見れるようになれば市場価値は非常に高くなります。
さらに、YouTube だけではなく、転用が効くスキルなので、ビジネスプロデュースもできるようになります。
②トップクリエイター志向の方へ
今後はYouTube上でも、テレビ番組のようなチャンネルが増えると思います。
その中で、今までよりも高いクオリティが求められると思っています。
動画編集は、YouTube以外でも活用できるスキルなので、動画が活用される場所がどんどん広がる未来には、スキルを上げ続けることで、活躍の場を大きく広げて行ける仕事になると思います。
今挙げたどの方向性を目指すにしても、自分のスキルを上げ続けていくということが必要になってきますね。
動画編集者は本業でやるにしても副業でやるにしても、素晴らしい仕事だと思います。
今後もまだまだ伸びていく、そして求められていく仕事です。
皆さんがご活躍していただけると、YouTube業界全般がすごく盛り上がっていくんじゃないかなっていう風に思います。
是非素晴らしい動画編集者になってください!
ご清聴ありがとうございました。
編集後記
和田さんからしか伺うことのできない、
YouTubeの現状や、動画編集者や動画マーケターとしての方向性など、
受講生が今後に活かせることを大変多く教えていただきました。
動画クリエイターとして活躍していきたい受講生には特に響いたのではないでしょうか。
和田さん、ありがとうございました!
また、和田さんがマーケティングチームマネージャーをされている、国内最大級の動画SNSデータ分析ツール「kamui tracker」も、是非ご活用ください!!
https://kamuitracker.com/